数学の作り方 How to make Mathematics

微分積分学

「限りなく近づく」を、ちゃんと言葉にしたい

高校でも微分積分は習います。接線の傾き、面積、lim\lim。 道具としては使えるのに、「lim\lim って結局どういう意味?」と聞かれると、 たいていの人は「限りなく近づく…」と言葉を濁します。

その 「限りなく」 を、誰が読んでも同じ意味に取れる言葉で書き直すこと—— それがこの分野の出発点であり、いちばんの山場です。 ここさえ越えれば、連続・微分・積分・級数はすべて「同じ気持ちの言い換え」として すらすらつながっていきます。逆にここを飛ばすと、後で必ず「なんで?」が溜まります。

このページ群のゴール:極限の ε\varepsilon-δ\delta という一つの型を身につけ、 それだけを武器に一変数から多変数・重積分・ベクトル解析まで登り切ること。

この分野の地図

下にいくほど前の内容を使います。順番に読むのがおすすめです。

  1. 極限を厳密にする(ε-N・ε-δ) — 「限りなく近づく」を言葉にする
  2. 実数の連続性 — なぜ実数だと極限が「ちゃんとある」のか
  3. 級数の収束 — 無限に足す、を安全に扱う
  4. べき級数 — 関数を無限次の多項式とみなす
  5. 連続関数と平均値定理 — 「つながっている」から何が言えるか
  6. テイラー展開 — 関数を多項式で近似する
  7. リーマン積分と広義積分 — 面積を厳密に定義する
  8. 一様収束 — 極限の順番を入れ替えてよい条件
  9. 偏微分と全微分 — 多変数で「傾き」をどう定義するか
  10. 陰関数定理と極値問題 — 方程式が定める曲線と最大最小
  11. 重積分 — 多変数の積分と変数変換
  12. ベクトル解析 — 微分積分学の総仕上げ、3つの積分定理

前提

高校の微分積分(lim\lim・導関数・定積分の計算)に触れたことがあれば十分です。 ε\varepsilon-δ\delta は初めてで構いません。むしろ、そこを一緒に作っていくのがこの分野の主役です。

準備ができたら 第1章:極限を厳密にする へ。